天体望遠鏡購入、選び方
星に興味を持ち始めると天体望遠鏡が欲しくなってくることでしょう
「では、何がどのように違って、どういう望遠鏡がいいのだろう」と悩むと思います
その選択肢のひとつとして「架台(マウント)」です
望遠鏡の鏡筒を乗せる台の部分です
天体望遠鏡の架台(マウント)方式
大きく分けると
- 経緯台
- 赤道儀
この二種類になります
経緯台のメリットとデメリット
メリット
- 上下、左右の2方向にで動かせるので操作が簡単で初心者向き
- 軸合わせなどがなく設置が早い
- 赤道儀と比べて構造がシンプルなので軽くて持ち運びやすい
- 同口径なら赤道儀よりも安価に手に入れれる
デメリット
- 星、天体の追尾が困難(上下、左右に動くので同時に動かして斜めに追いかけるようになる)
- 高倍率にすると視野内から対象物がすぐに流れてしまう
- 天体写真は15秒~20秒ほど迄でないと星が流れるので、長時間露出の天体写真は無理
赤道儀のメリットとデメリット
メリット
- 地球の自転軸と平行に赤緯軸を合わせることで赤経軸1つ動かせば日周運動に沿って星の動きを追尾できる
- モーターや自動追尾機能を付ければ日周運動している星を長時間視野から外さずに観察でき、天体写真の長時間露出時には威力を発揮する
- 自転に沿った観察を長時間できるので高倍率観察でも視野内に捉えやすい
デメリット
- 北極星(※)などを使って極軸合わせが必要で、慣れるまでは作業が大変となる
- 経緯台と比べて、架台そのものも複雑で重くなる
- 構造的に複雑で、便利な機能としての自動追尾モーターなどを付けると高価な物になる
(※)実際は天の北極と北極星には約0.7度のズレがありますので、長時間追尾をする時は
ドリフト法やスマホアプリなどで微調整が必要です
プラスアルファとして
赤道儀の中でもドイツ式とフォーク式があります
ドイツ式は鏡筒の載せ替えが可能でカウンターウエイトで鏡筒とバランスを取るのに対しフォーク式はフォーク状のアームで鏡筒を両側から支える方式でカセグレン望遠鏡に多い
カセグレン式望遠鏡については下記をクリックの上「天体望遠鏡を買いたい-1」をご参照ください
まとめ
今回は架台(マウント)を中心に天体望遠鏡購入時のひとつの選択肢として「経緯台」と「赤道儀」を見てきました
それぞれにメリットとデメリットはあるのですが、簡単にマトメると
経緯台
初心者向けで簡単に設置出来てすぐに観察できる
機能的にシンプルな為、日周運動を追尾するには困難なので長時間露出の
天体写真撮影には向かない
微動フレキシブルハンドル付きが経緯台での手動追尾には良い
シンプルな分、安価である
赤道儀
初心者から中級、上級者になるほど天体観測には欠かせないものでしょう
ただ、初心者の場合、極軸合わせなど慣れるまでは設置、準備が大変になるでしょう
自動追尾できるモータードライブなどは便利な機能で、複雑だが便利なもので高価になる
最後に
最後にわたしの場合は、最初の天体望遠鏡購入は子供の時であったので、赤道儀は高価で手が出ませんでした
それで経緯台を購入して少しづつ天体を覚え、天体と友達になって、色々な事が分かって来てから
赤道儀を持つようになりました
ただ子供の頃は、キャンプなど家から持ち運んで使用する事も多かったので、設置が早くて簡単な経緯台である事がその点では便利でした
もう一つは光学系、つまり天体を観察するための望遠鏡そのものを良い物(高価だが大口径の良いレンズ)にしたくて、100mmアポクロマートレンズの屈折式望遠鏡を選択しました
もちろん経緯台ですが微動フレキシブルハンドル付きです
徐々に惑星の斜め追尾にも慣れました
天体写真を撮るようになればやはり赤道儀が利便性が高く良いと思います
鏡筒の方式での考察は別の1の投稿でしてますが、架台部分も購入するにあたっては考えなければならない選択肢の一つですので参考にして頂ければ幸いです