星雲と星団

星のTomoちゃん

星雲と星団の違い

星雲

星雲はガス状の雲
淡く光る雲上の光で、ガスそのものが光って見えるものもあれば、近くの恒星の反射により光っているものもある
ガスの雲である以上光っていても星団のように輝く感じではなく
淡い雲のようなひかり方です
例えば、夏の星座「はくちょう座」のデネブ近くの北アメリカ星雲
淡い赤色に見える散光星雲なのですが、近くにある恒星の紫外線によりガスと塵に含まれる水素ガスが電離して光っています

ガスは星の誕生で、爆発で飛び散ったものや
逆に星が終わる時に外層をガスとして放出したりして出来たものです

つまり星雲を観測していると
星の誕生と死に関わっているガス雲を観測して宇宙の色々な過去から未来を研究することが出来るのでしょう

オリオン星雲のような明るいガスが光る散光星雲
死にゆく星のガスで出来た惑星状星雲(太陽程度~8倍程度の恒星)
またオリオン座馬頭星雲のようなガスや塵が光を遮って黒い影状にみえる暗黒星雲
恒星(太陽の8倍以上の大質量)が一生の最後に起こす大爆発があり、星の外層は宇宙空間に吹き飛ばされ超新星残骸となる星雲の一つもあります

星団

字のごとく星の集団で、重力によりまとまり
若い星で数十~数千のものもあれば、古い星が数万~数十万個と球状に分布したものもある

冬の星座「おうし座」近くのプレヤデス星団は散開星団とその周辺に先ほど説明した星雲(反射星雲)があり、星団として輝く恒星とその光に反射する星間塵が重なりさらに青い雲が星雲として輝くように美しく見える星団&星雲セットです

散開星団は若い恒星の集まりで銀河の回転や他の重力により数億年から数十億年でバラバラになるから若い星団しか残っていない

球状星団は100億年以上前の銀河形成の初期のころから強い重力で密度の高い数十万から数百万の星がガッチリと結びついており
銀河の外側(ハロー)に存在するため他の影響を受けにくい
ちなみに銀河系ハローは銀河円盤部を球状に取り囲む、星やガスで構成された領域です

夏から秋に見える星雲、星団

いて座の干潟星雲(M8)、三裂星雲(M20)

双眼鏡(7×50)でも可能?
光害の少ない澄んだ夜空だと淡い雲状に見ることが可能でしょう
小型望遠鏡60mm~100mm程度の口径だとよりハッキリ見えるでしょう

はくちょう座のオメガ星雲(M17)、北アメリカ星雲

双眼鏡(7×50)でも可能?
条件的には光害の無い暗い澄んだ夜空でないと観察し辛いです
オメガ星雲(M17)の方が見つけやすいでしょう

小型望遠鏡(口径50mm~100mm)
星雲観察に出来れば小型望遠鏡でも口径80mm以上は欲しいです
北アメリカ星雲は80mm口径小型望遠鏡で見つけれます
低倍率で「はくちょう座」デネブの東側横辺りを探索すれば観測可能でしょう
オメガ星雲(M17)なら60mm程度の小型望遠鏡でも見つけやすいと思います
「M」が付いているから

ペガスス座の球状星団(M15)、アンドロメダ銀河(M31)

双眼鏡(7×50)でも可能?
どちらかと言えば星雲より星団の方が輝きがあり見つけやすいです
ペガスス座の球状星団はペガススの四辺形の南西(右下)のペガススの首を延ばした鼻先にあります(下記画像のM15)
双眼鏡でも見つけれますが小型望遠鏡(60mm程度)以上なら星の集まりが見えるでしょう

夏に観て頂きたいのは、星団ではありませんがアンドロメダ銀河です
我々の住む天の川銀河の外にあり、条件の良い夜空なら3~4等星程度ありますので肉眼でもぼんやりと見えるほどの明るさです
ですから双眼鏡だと楕円の形が捉えられ楽しめると思います

探し方は、先ほどのペガスス座の四辺形
今度は逆側の北西(左上)のα星(アルフェラッツ)がアンドロメダ座の頭部になります
そこからカシオペヤ座が分かればWの左端へ線を伸ばす半分より少し手前辺りにボヤっと見えるものがあればそれです
ちょうどアンドロメダ座の腰から腰かけている右ひざ近くにアンドロメダ銀河は見えます

ペガスス座やアンドロメダ座に関しては下記の「ペガスス座」「アンドロメダ座」をクリックして頂きご参照ください

Mメシエ

星雲、星団に付いている「M」てなに?

Mは、メシエ天体、メシエカタログと言われるものです
フランスの天文学者シャルル・メシエが作成した天体リストです
メシエは、もともと彗星探査の専門家でしたが、当時の望遠鏡でぼんやりした光淡い光の星雲や星団と見間違うのを防ぐため「このリストにあるのは彗星では無い」と言うリストを作ったわけで

それで逆にメシエ番号の付いた星雲、星団は比較的見つけやすい代表的なものと言えるでしょう

星雲、星団に興味を持たれたら

星雲、星団を見てみたいと思われたら
条件として、暗い場所
特に星雲観察にはより光害の無い暗い場所での観察が重要です
最低でも7×50双眼鏡と共に楽しむのが良いでしょう

双眼鏡…
いや、出来る事なら小型望遠鏡が欲しくなる事でしょう
屈性望遠鏡なら50mm~100mm
おススメは出来れば80mmはほしい(80mm以上あれば星雲だけでなく何かと応用できる)
反射望遠鏡なら100mm~150mm程度でも安価で購入可能でしょう
双眼鏡からスタートでも
プレアデス星団(M45)、ヒヤデス星団、アンドロメダ銀河(M31)などは十分楽しめます
興味を持たれたらぜひ星雲、星団観察をお勧めします







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