日周運動
地動説と天動説

星が動くのは良くご存じだと思います
正確には地球が北と南を自転軸として西から東へ1周24時間かけて動いているからです
(ちなみに日付変更線は大体オレンジの破線辺りです)
16世紀から17世紀頃天動説(地球は中心で停まっており周りの星々が動いている)主流な時にコペルニクスが地動説(地球が動いている)を唱え、ガリレオがそれを支持し望遠鏡により天体観測をしてその説の証拠を提示し唱えた
当時天動説が主流であったので異端審問にかけられ…地動説を放棄することを強制された
そしてその後「それでも地球は動いている…」と言ったという話は有名です
今となっては地動説は当たり前ですが、確かにこんな大きな地球という大地が動いているとは思わず
太陽も星も東から西へ動いていると考える勘違い(当時は真実として)のような事が起こっても仕方のない事だと思います
しかし毎夜、星や惑星、衛星の動きを観察して、当時天動説が当たり前の時代に地球が動いていると気づくことが凄いことです
見る方向で変わる日周運動
地球が西から東に動いている自転運動により、星や太陽が東から西へと進むように見える現象を日周運動と言っています
勘違いしやすい進む向き
私たち北半球に住む人が夜空に北の空を見上げると北極星を中心に東から西へ…つまり反時計方向に星は動きます
そのまま南の夜空を見上げると東から西へ…今度は時計方向に星は動きます

ここで勘違いして覚えないように
例えば、こちらの歩道から見て道路の右から左へ走る車を反対側の歩道から同じ車を見た人は左から右へ走って行ったと言うようなもので
方角で覚えている方が勘違いしなくて良いです
星の日周運動写真を見ることがあった時、(北半球として)まず中心があって円を描くような写真だとすれば北の夜空で中心は北極星が写っているという事です

逆に南の空は
北の北極星のような中心は見えないで星が東から西へ半円を描くように走る曲線のような星景写真となります
(やや右上がりの線となっているので
厳密には南東辺りの空)
星の移動方向と方角
広角で撮られた地平線の分かる日周運動写真だと右上がりだと東、水平が南、右下がりだと西の方角だと分かりやすいです
この日周運動のほんの一部分の星の一部が流れているだけの切取り写真では方角の判断はし辛いです


例えば、北極星の写っていない北の空のほんの一部を切り取って「A」「B」部分を拡大すると
「A」は西に沈む星とも考えられるし「B」は東から昇る星のようにも見えてしまいます
このように一分だけだと判断し辛いですが、まず北の空の日周運動でこのような一部分だけを撮った星景写真は無いと思っても良いでしょう(私も北空の星景写真では見た事がないです。北斗七星やカシオペア座など特定の星の移動を写したものはありますが)
つまり日周運動は北極星という中心部があるかないかで北の方角なのか、別の方角なのかが判断できると思います(日本の場合)
まとめ
星は北極星を中心として東から西へと移動しています
ある星を見て1時間毎に15度移動します
ただ星が動く方角は変わらないが方向は変わることがあるという事です
星の移動する方向は自分の立ち位置、視線の向きによって変わるという事を覚えておきましょう
つまり東から西へ動いている星を見た時、視線の先が北の空なのか東、南、西の空なのかによって星の移動方向(例えば右から左へ、時計回りか反時計回りなど)は変わるという事を頭の片隅に置いておくと良いと思います