天体望遠鏡を買いたい(選択肢)-4 4/4

天体観測

観測対象物:惑星か星雲星団か

まとめ(対象物を中心に方式別にマトメてみました)

屈折式

初心者でも扱いやすく惑星観察にはコントラストが良く縞模様など見えやすい、小型60mm程度は持ち運びやすい
長焦点だと倍率を適度に上げやすく100~120mm口径なら十分対応できる
大口径だと高価格になる
アポクロマート/EDレンズだと色収差を軽減できるが高価
星雲を観るとなると広角で低倍率で集光力が必要なので屈折式となると高価なものになってしまう
月や惑星観測には良いが、星雲観測にはやや不向きです

反射式

大口径で集光力、分解能の高いものを安価で購入可能
色収差がない
ニュートン式、短焦点、広角で星雲、星団観測には良い(低~中倍率を扱い易い)
メンテナンス(光軸修正)が必要〔5、6回も練習すれば慣れては来る〕使用頻度や移動、保管状況にもよりますが、週末使用程度なら月1~2回程度確認と修正、何かの時は臨時で修正すればほぼいけるのではないかと思います
大口径(200mm以上)になると大型になり移動が不便
コントラストは屈折式と比べてやや劣る
大口径を安価で得やすいので、星雲、星団観測には良いが、惑星など細かな観測には屈折式に劣る
ただ、もし都会にお住まいで星雲、星団が観たいと思うのでしたら、暗い星の良く見える場所への移動が必要であると考えられた方が良いです
星雲は光が弱く、周りに光害が多い都会では大口径であっても都会の光が邪魔をします

カタディオプトリック式(ハイブリット型)

大口径、コンパクト、長焦点を得られる
レンズを使用しているが鏡も使用することで色収差低減
長焦点だが鏡筒は短く出来るので持ち運びしやすい
惑星観測の大口径、高倍率を得やすく、星雲、星団観測の集光力も得られるある意味「万能型」とも言える
構造が複雑なため重量が重い傾向
補正板が大きく厚いので夜の気温変化に馴染ますのに時間がかかる
同口径ニュートン式と比べれば光量ロスが多い
光軸修正などのメンテは必要
光軸が狂うと像が悪くなり見え辛くなります
いずれにせよ光軸修正は必要で慣れるまでは大変だと思います
同口径、同架台なら通常シュミットよりマクストフの方が高価になる
シュミットカセグレンならセレストロン製が機種、価格帯も多い
方式の詳細は「天体望遠鏡を買いたい-1」を参照して頂ければ幸いです

ひとつの考え方

初めての天体望遠鏡の購入なので最初は安く簡単な物を購入、興味が出てくれば良い物に買い替えと考えるならば…
60mm屈折式でも良いのですが、予算が許すのであれば80mm程度は欲しい
私が考えるのは、初めての天体望遠鏡だからと余り「ちゃちな(おもちゃ的な安っぽい)物」の購入はやめておいた方が良いと思います
お子さんやお孫さんへのプレゼントでも、小学生だからとおもちゃ的な物ではなく光学的にしっかりした、そして扱いやすく観測していてその対象星に感動できるものが良いと思います
一つの提案としては、「月、惑星」なら扱いやすい屈折式天体望遠鏡の口径60mm~80mm、焦点距離1000mm程あれば、架台が経緯台(出来ればフレキシブル微動ハンドル付き)としても十分楽しめると思います
でないと、購入した機材の性能がないが為にあなたの天体への興味が薄れてしまう事が残念に思うからです

私の場合、子供の頃購入しましたが、光学系を良い物にしてアポクロマート100mm口径を得られたから、今でも初めて観たきれいな土星の環木星の大赤斑は脳裏に焼き付いています
美しくて感動できたからこそ今でもずっと星に興味を持てているのだと思います

架台を「赤道儀」選択か「経緯台」にするかで費用面は大きく違ってきます
初心者だから扱い易いものを購入して、慣れたら後々大口径赤道儀の良い物を…と考える人もいらしゃるでしょうし、
逆に最初から高価でも少し良い物を購入し、極めたいと考える人もいらっしゃるでしょう
最終、個々人の考え方や「メンテ」に関しては性格的なものも関係するかも分かりません
メイン使用が小さなお子さんであっても、ご両親が補助でメンテなどを一緒にやっていかれるのならば、シュミットカセグレン式や反射式に挑戦してみても良いと思います
メーカーにメンテ依頼が必要な場合もあります

何度も言いますが、「天体望遠鏡を買う目的や楽しみたい事に対し、自分が譲れない部分」を考え
「口径100mm以上」、「予算10万以内」や「メンテは無い方が良い」、「土星の環が観たい」、「星雲星団中心に観察したい」「写真撮影中心」などなど…どんな事でも良いのですが、
この部分は天体望遠鏡の性能として最低限求めるもの」が決まれば、選択し易いです

赤道儀の極軸合わせ、反射望遠鏡の光軸修正など、もし今は一切したくないと思うのであれば、屈折式経緯台を購入して楽しめれば、次のステップとして知識と技術を身に付けて赤道儀や反射式の購入へとステップアップしていくことも楽しみで良いと思います

「天体望遠鏡購入の選択」について1回~4回にわたって投稿してきましたが、
何かの参考に少しでもして頂く事が出来れば幸いですし、
良き機材、愛着を持てる天体望遠鏡とあなたが出会えるお手伝いが少しでも出来ればと…
そして、あなたが購入された愛機で感動できる天体をたくさん観測できる事を願っております

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