いて座
南斗六星
夏の星座として、北の「おおくま座」の中に含まれる北斗七星と同じような「ひしゃく」の形を持つ星座として南の空に見える「いて座」があります
いて座の中の柄杓(ひしゃく)は南斗六星と呼ばれ6つの星で成立ち、主に2等星と3等星で構成されているので見つけやすいです
私自身も「いて座」は非常に好きな星座で、この南斗六星も美しい星です
夏の天の川の中に是非見つけて下さい
いて座の見つけ方

いて座は7月中旬頃から10月頃まで南東の方角から昇り、南の空30度程の高さ(地平線からこぶしを立てた位)に美しい南斗六星の姿を見せ10月頃には南西の地平線に沈みます
今の時期(6月)ですと23時頃には東の空に出てくるでしょう
8月なら夜8時頃から10時頃まで南の夜空にきれいな姿が良く見えると思います
慣れると天の川の近くに「いて座」とその右(西)側に「さそり座」(黄丸内)を見つける事が出来るようになるでしょう
ちょうど「いて座」の(青矢印のように)弓矢でサソリを狙っている感じです
もし逆に南の空に明るい「さそり座のアンタレス」が見つかれば、その左(東)側に「南斗六星」いて座を見つける事が出来ると思います
ギリシャ神話のいて座
いて座はギリシャ神話では上半身が人間、下半身が馬のケンタウロス族のケイローンとされています
ケンタウロス族は、野蛮で粗暴として知られているのですが、ケイローンは例外的な存在でアポロンから音楽、医学、予言等を学びそしてアルテミスから狩猟を学んだ博識者で多くの英雄を育てた教師でもあります
ケイローンは、「傷ついた癒し手」の象徴として知られています
それは自身の傷を通し他者の痛みを深く理解して他者を癒すという能力があるのです
更にケイローンは不死身の体を持っていたのです
だが不死身の体を持ちながら皮肉にも癒えることのない傷を負うことになります
それは英雄ヘラクレスが放った毒矢が誤ってケイローンの膝に当たり、その傷は不死のケイローンにとっては永遠の苦痛となったのです
ケイローンはあまりの苦痛から逃れるために自らの「不死の力」を放棄してプロメテウスに譲る事をゼウスに願い出て死を選びます
その死を惜しんだゼウスは、ケイローンの姿を星にかたどり射手座としました
ケイローンの話は、完璧でなくてもむしろ傷を持っているからこそ他者の痛みを理解して真の癒しをもたらすことができると言う事です
なんと良い話でしょうか…
このケイローンの姿、いて座を夏の南の空にぜひ見つけて感動して下さい